安全資産として、国債に投資を考えている人におすすめの国債はどれかという質問に答えます。
結論から言います。国債投資では、「米国債」一択の状況です。
国債は国に対する国際的な信用力を表しており、経済的に不安定な国の国債は金利が高い代わりに、デフォルト(債務不履行)になる可能性があります。
つまり、国債に価値が無くなり、ただの紙切れになる可能性があるのです。
国債投資は攻める必要は全く無く、むしろ、大事な資産を守る、防御としての投資の姿勢が重要です。
具体的な内容については後ほど解説します。
では、早速解説を始めます。
FIREを目指す人にとっての「国債投資」について【米国債一択】
米国債の魅力
ずばり、結論から言います。米国債は世界中の国債の中で、最も投資価値のある投資対象です。
理由としては、信用力が高く、利回りも良く、出来高も高いためです。もう少し詳しく解説します。
国債には、格付けがされており、複合的な要素を総合的に判断して、AAAからDまで細かく格付けがされています。
その中でも、米国債はAAAもしくは、AA+という格付けをされており、国際的に高い信用力があります。
ちなみに、世界一の信用力はドイツ国債です。ただし、格付け会社の中には、ドイツ国債と米国債を同じランクで格付けしている場合もあります。
また、利回りを考えても、格付けがある程度上位の国で、比較すると、米国債以外は全て、配当率が0%台ですが、米国債だけは、配当が1%以上で推移しています。
また、米国債のETFについても、種類が多く存在しており、幅広い選択肢の中から選べます。
日本の証券会社でも取り扱いが多く、購入が容易な点も、魅力的であると思います。
日本国債よりも安全です
日本人の中には、日本国債は安心安全という理由で、日本国債を買っている人が多くいます。
しかし、注意が必要です。世界中の格付け会社が、公開しているデータを見ると、日本国債は決して安全な国債とは言えません。
日本国債の格付けを見ると、世界24位のあたりを推移しています。主要な欧州の国や、アジアでは、韓国や中国よりも信用力が低いと、国際的には評価されています。
そのため、安全資産として、国債に投資をするのであれば、日本国債よりも信用力の高い、欧州の国債や、米国債の方が安全資産への投資には向いています。
1点注意ですが、国債の購入と、日本に対する愛国心は別物であると認識する必要があります。日本に対する愛国心は素晴らしいものです。
しかし、投資をする上で、感情論は一旦、置いて、客観的なデータに基づいて投資判断をする必要があります。
感情論で投資するのは、競馬などのギャンブルと同じです。あの騎手や馬が好きだから、買うという思考と全く一緒です。
投資は、人生の大事な資産を運用するものであり、ギャンブルとは全く違います。注意が必要です。
個別の米国債は避けましょう
結論から言います。個別の米国債に投資するのは避けましょう!
理由としては、管理が難しいかつ、分散投資が難しいからです。
国債には、短期・中期・長期と償還期間によって、種類が分かれています。また、物価連動債というインフレに対応した国債などもあり、様々な種類が存在しています。
その中から自分自身の投資に必要な国債を選んで、管理をするのは、非常に難しく、手間がかかります。
そのため、個別で国債を購入するのではなく、ETFで米国債を購入して、分散投資をするのが最も簡単で、効果的な投資方法なため、おすすめです。実際に私も全てETFで購入して、保有しています。
具体的におすすめのETFについては次章で解説します。
おすすめの米国債ETF
米国全体の債券に投資
国債や社債など米国全体の債券に投資できるETFを紹介します。
一番おすすめのETFは「BND」です。BNDは約10兆円という純運用資産で運用されている大きなETFです。
また、特徴として、毎月配当金がもらえるETFとしても有名です。
ETFの構成銘柄は、米国債が約40%です。残りは、「投資適格債」と呼ばれる、安全性の高い社債に投資をしています。
また、全体的に、1〜10年の中期の債券が全体の80%を占めているため、中期的な債券投資としては、最適な投資対象です。
他にも、BNDと同じぐらいおすすめなのが、「AGG」です。こちらも、毎月配当金がもらえるETFです。
BNDと非常に似ており、運用会社が違うだけで、中身はほとんど同じです。
経費率は、どちらも、0.04%と格安に設定されているため、長期投資にも最適なETFです。
米国債を3つに分ける
次に、社債などの債券は含めずに、単純に米国債のみに投資したい方におすすめのETFを紹介します。
【図1 短期・中期・長期の米国債ETF比較】
【図2 短期・中期・長期の米国債ETFの価格比較】
利回りの良い、長期国債だけを買うという投資もありますが、正直おすすめではありません。
理由としては、投資はギャンブルと違い、1点張り勝負をするものではなく、あらゆるリスクに備えて、分散投資をする必要があるからです。
長期国債は配当利回りが高い分、価格の変動も他と比べて激しいのが特徴です。そのため、あらゆるリスクに備えて、短期・中期・長期で国債を分散投資するのがおすすめです。
SHY(短期)、IEF(中期)、TLT(長期)の3つを保有することで、分散投資を図り、あらゆるリスクに対応できるようになります。
米国債を保有したい方は、3つに分けて投資をするのがおすすめです。
おすすめのETF3つ
最後に、個人的におすすめの米国債ETFについて紹介します。実際に私も保有している銘柄です。
【図3 筆者おすすめの米国債ETF】
【図4 米国債ETFの価格比較(全て)】
「TIP」は米国物価連動国債という、物価の変動に合わせて、元本も連動するETFです。
つまり、インフレで物価が上昇した場合は、元本が増加して、連動するため、インフレにも対応したETFとなっています。
短期的な米国債への投資には最適なETFであります。個人的には、SHYよりもTIPの方がおすすめです。
「BND」は先程、紹介したETFです。米国債だけでなく、社債にも投資をしています。
1〜10年以内の中期的な米国債や社債の投資には向いており、幅広く中期的な米国債券に投資できます。
米国債がメインですが、半分以上は社債にも投資できるため、中期的な分散投資にはおすすめです。
「TLT」も先程、紹介したETFです。
やはり、長期的な債券投資にはリスクが伴うため、TLTのような長期米国債に特化したETFがおすすめです。
長期的な社債はリスクが大きすぎるため、債券では、長期国債1本の方が安全です。
債券投資は、攻める必要は全く無く、むしろ、分散投資をして、株価が暴落した時に、大事な資産を防御してくれることの方が重要です。
米国債は安全投資としておすすめ
今回は、米国債を中心に解説を行いました。
国債に投資するのであれば、日本国債よりも、米国債に投資する方が、安全で、利回りも良いため、おすすめです。
物価の連動にも対応した国債ETFもあるため、インフレ時には、銀行預金よりも安全です。
今まで、国債投資をしたことがない方は、今回を機に、国債投資を考えてみましょう!