今回は「中国株」の投資に関しての解説を行います。
結論から言います。中国株は乱高下が激しいため、放置しても勝てる投資ではありません。
私は、今まで中国株と香港株に投資を行ってきました。大きく勝つ場合もあれば、損することもありました。
今まで中国金融の世界で学んだことと、実体験に基づく中国株に対する知見を元に、中国株について解説します。
中国株が気になる方、今後、中国株に投資を考えている方に、ぜひ読んでもらえると嬉しいです。
では、早速解説を始めます。
FIREを目指す人にとっての「中国株」について【放置は危険】
大きく勝つ時もあります
中国株に興味を持つ方の大半は、中国経済の成長が気になるからだと思います。実際に、中国は2000年代から一気に成長して、現在では、世界第2位の経済大国にまで成長しました。
今後も成長が見込まれるため、その恩恵に授かろうという考えで、中国株に興味を持っている方も少なくないかと思います。
特に、中国のIT業界は近年の中国経済を牽引してきたという実績があります。中国版のLINEを提供している、「テンセント」、ECサイト、金融など幅広い分野で成長してきた「アリババ」、中国のフードデリバリーアプリの最大手である「美団」などに投資をしてきた人は、資産が数倍以上に増えてきました。
IT業界だけでなく、アパレル業界、外食産業、製造業など多岐の業界に渡って、成長をしてきました。
そのリーダー銘柄に投資をしていれば、確かに、大きく投資で勝つことができたという過去があるのは事実です。
負ける時は大きく負けます
しかし、一方で、突如大きく負けることがあるのが、中国株の特徴でもあります。
米国株、日本株、欧州株では考えられないような暴落があるのが、中国株です。
例えば、2021年の場合、不動産業界全体の規制強化によって、不動産業界の最大手であり、不動産業界のリーダー銘柄であった「中国恒大集団」が約90%暴落しました。
他の不動産業界の銘柄にも波及して、業界全体的に暴落が発生しました。
また、教育業界に対しての規制強化が原因で、中国の小中高生向けのビジネスがほぼ崩壊しました。アメリカで上場している、リーダー銘柄であった、TAL(好未来教育集団)、GOTU(Gaotu Techedu)、EDU(新東方教育科技集団)などが約90%以上暴落しました。
他にも、IT業界大手に対しての規制強化によって、テンセントやアリババの株価も約50%程下落しました。
このように、中国株は規制強化が主な原因となり、突如暴落して、資産を短期間のうちに失うことがよくあります。
正直、政府の政策次第で変わります
中国株の場合、政府の政策1つで企業だけでなく、業界全体の未来が大きく左右されます。
政策次第では、暴騰することもあれば、暴落することもあります。特に、小中高生向けの教育業界は、大きな政策転換であったため、1年近く経った今でも、暴落したままの状態です。また、今後も政策が変わりそうにないため、株保有者は資産を失っただけの状態となります。
中国株の投資で最も重要なことは、政府の政策をしっかりと追いかけて、注視することです。
しかし、政策に関しては、ほとんどが中国語で発表され、重要なニュースだけ英語で配信されるため、日本語だけの情報では、正直、不十分です。
政府の政策を見ていると、数年前から少しずつ規制強化をする予兆がある内容と、突発的に規制強化する内容があり、前者については、しっかりと中国語で情報を追いかけていると、ある程度わかるものもあります。
しかし、情報収集と情報分析に膨大な時間が必要となるため、ある程度、覚悟が必要です。
もし、日本語で情報収集をしたい方は、日本語で唯一、有益な情報を提供している「中国株二季報」がおすすめです。
正直、この本以外は詐欺に近いような本ばかりです。中国株に投資を考えている方は、必読の本です。
中国株に投資したい方へおすすめの銘柄
変動が激しくない、ETFがおすすめ
中国株に投資したい方は、個別銘柄ではなく、ETFで投資をするのがおすすめです。
理由としては、個別銘柄ほど、株価に変動が激しくなく、ETF自体で分散投資ができており、銘柄の組み替えをする手間も少ないからです。
おすすめのETFとしては、2つあります。
1つ目が、「CXSE」です。
アメリカのNASDAQ市場で取引されており、米国ドル建てで購入することが出来ます。
ETFの中身としては、中国の民間企業だけに絞って投資がされています。国有企業は投資先から除外されています。
主要な構成銘柄は、テンセント(約12%)、アリババ(約7%)、美団(約5%)、京東(約3%)となっています。
近年の中国経済を牽引してきたIT企業と新興企業が主要な銘柄で構成されているのが特徴です。
また、経費率も「0.32%」と低く、中国株のETFを投資するなら最適なETFです。
他にも、似たようなETFで「FXI」というETFがありますが、経費率が「0.74%」と高く、あまりおすすめではありません。
2つ目は、「2800」です。これは、香港証券取引所の銘柄で、香港証券取引所の銘柄全体に投資するという内容のETFです。
主要な構成銘柄は、友邦保険控股・AIAグループ(約8%)、HSBC(約8%)、テンセント(約7%)、アリババ(約7%)、美団(約5%)となっています。
日本の主要な証券会社で売買することが可能で、経費率も、「0.1%」と格安に設定されていますので、中国株と香港株に投資したい方にはおすすめです。
政府の政策に逆張りするのは禁物
中国株に投資することで、最も重要なこと、それは「政府の政策に逆張りをしない」ということです。
これは、本当に危険ですので、注意が必要です。不動産業界の規制強化についても、数年前から政府が不動産価格の急騰に対して、厳しい指摘を繰り返していました。
また、同様に小中高生の教育費についても同じように繰り返し政府が指摘をしていました。
その指摘を無視して、投資を続けてきた人は約90%の資産を失っています。
そのため、政府が推進している業界、企業に対して、投資をすることが他の国と比べて重要となります。
例えば、EVメーカーやそれに付随する業界は今後の成長に期待できます。ただ、中国国内の競争が激化しており、全てのEVメーカーが成長できるわけではないですが、主要なメーカーは今後の成長が期待できます。
中国版テスラと言われているEVメーカーの「NIO」や世界第3位の自動車メーカーの「BYD」に投資をしている方は、これまで10倍以上の利益を出すことが出来ました。
今後も、政府の後押しがあれば、成長できる可能性は高いです。
正直、中国株投資は簡単ではないです
中国株で利益を出し続けることは、容易ではないです。
米国株のように、ETF(SPYやQQQなど)に毎月積み立て投資を行えば、5年で2〜3倍に資産が増えているというようなことは、中国株では起きません。
中国政府の政策転換によって、経済状況が大きく変化するため、常に、政策を注視する必要があります。
そのため、中国株で勝つなら、良いタイミングでの売り買いが必要となります。
毎月積み立てるような投資スタイルには、向いていません。
短期・中期的な視点で、株を売買するような投資スタイルで、中国株には投資をするのがおすすめです。
中国株に投資するなら、放置は禁物です
今回は中国株への投資に関する内容を解説しました。
中国株は、米国株、日本株、欧州株と違い、毎月積み立てて投資をするスタイルは向いていません。
しっかりと売買のタイミングを見極めて、投資をする必要があります。
中国株について、日本語で唯一、有益な情報を提供しているのが、「中国株二季報」です。
中国株の投資を考えている人は必見の本です。最新版を読むのがおすすめです。