FIREを目指す上で、コモディティ投資(貴金属、エネルギー、農業商品など)は必要でしょうか?という質問に答えます。
結論から言います。コモディティ投資は必要です!
投資初心者の方には、あまり馴染みの無い投資だと思いますが、大事な資産を守る上で非常に重要な投資対象です。今まで、コモディティ投資に興味を持っていなかった方も、今回を機に、コモディティ投資に興味を持っていただけると嬉しいです。
戦争などで社会全体が不安定化した時、金融危機が起きた時などに株価が暴落しても、コモディティは逆に価格が値上がりすることが多く、コモディティは「資産の守護神」としての役割を果たしてくれます。
コモディティと言っても、貴金属、エネルギー、農業商品など幅広く、個別で考えると、オレンジジュースやコーヒー豆などにも個別で投資することも出来ます。
そのため、種類も多く、それぞれの特徴を理解するのが難しいと思い、投資を断念する方が多いですが、今回は、私が今までの投資経験も踏まえて、出来るだけ分かりやすく解説を行います。
この記事を読めば、コモディティ投資を一通り理解できるようになっています。ぜひ、最後まで読んでみて下さい。
では、早速、解説を始めます。
FIREを目指す人にとっての「コモディティ投資」【重要です】
コモディティとは?
投資の世界でのコモディティとは、金などの貴金属・金属類、石油やガスなどのエネルギー、穀物などの農業商品などをまとめた総称です。
コモディティの中に、仮想通貨も含めて解説している記事もありますが、仮想通貨はコモディティの中でも、異質な性質を持っているため、仮想通貨は別物として考えた方が良いです。
コモディティの中でも、金、プラチナ、石油、天然ガス、小麦などが主な代表格です。逆にマイナーなコモディティとしては、カカオ、オレンジジュース、コーヒー豆などもコモディティ商品として取引されています。
特に、マイナーなコモディティは値動きを読むのが難しく、取引高も低いため、あまりおすすめではありません。
難しいことを考えるのではなく、シンプルに、世界中で取引されている金などのコモディティに投資をするのが、最も安全で、効果的な方法です。
具体的な銘柄については、後ほど詳しく解説します。
コモディティ投資の魅力
コモディティ投資の魅力を一言で言うと、社会が不安定化した時に、資産を守ってくれる存在であるということです。
一般的に、社会全体が平常運転の時は、株や仮想通貨などのリスク投資商品にお金が集まるのですが、戦争や大きな自然災害などが発生して社会が不安定化すると、株に流れていた資金が一気に、安全資産の「コモディティ(金などの貴金属、エネルギー)」や「国債」などに流れます。
社会的なショックが発生した際に、保有していた株が暴落しても、コモディティは逆に価格が上昇して、資産の減少を防いでくれます。
投資の世界では、株とコモディティは「逆相関関係」と言われており、両者が逆の値動きをすることがよくあります。
実際に、コロナショックやロシアとウクライナの戦争時にも、株価が下落した時に、コモディティの価値が上昇したため、大事な資産を守ってくれました。
コモディティは何かあった時の「守護神」としての役割を果たしくれるため、資産の一部に組み込むのがおすすめです。
コモディティ投資の注意点
コモディティ投資で注意すべき点としては、コモディティ投資に多額の資金を注ぎ込まないことです。資産の30%程度を上限にして、投資をするのがおすすめです。
また、1つのコモディティ商品に資金を注ぎ込まないことも、リスク分散の観点から考えて重要です。ただし、金は別です。理由については後ほど解説します。
コモディティに関しては、「先物取引」や「CFD」と言った、デリバティブ(金融派生商品)で取引されていることが多いですが、取引の難易度、管理コストの面から考えて、初心者の投資家にはおすすめではありません。
コモディティに関しても、ETFの保有で全く問題ないです。ただし、マイナーなコモディティ商品に関しては、良いETFがない為、その場合は、先物取引やCFDでの取引しか選択肢が無いです。
ただ、一般の投資家がマイナーなコモディティ商品を取引する必要はなく、金などの代表的なコモディティにETFで投資すれば良いだけの話です。全く問題ありません。
もし、仕事上、マイナーなコモディティに関して詳しい方や、マイナーなコモディティ商品に興味がある方は、先物取引やCFDでも大丈夫です。ただし、取り扱いには注意が必要です。
おすすめのコモディティ投資を紹介します
金投資が無難な投資
【図 コモディティ投資のまとめ】
【図 各コモディティの長期比較】
正直な話、コモディティ投資として、「金」だけの投資でも全く問題ありません。他のコモディティと比較しても、圧倒的なパフォーマンスを出しています。
コモディティの中でも、特に「金」は別格の存在感があります。古来より、「金」は貴重な資産として扱われてきました。現在でも、「金」は相変わらず貴重な資産として扱われており、今後もその価値が衰えることは無いと思います。
そもそも、地球上に存在する金の量は、発掘分と未発掘分全て含めても、オリンピックの競技用プール約5杯分だけしか存在していません。
たったそれだけの量を、世界中の人々が奪い合っている状態が続いているのです。また、金は社会が不安定化した時に、暴騰する傾向があり、安全資産としての価値は今後も続くと考えられます。
金のETFについて書かれている記事の中には、「GLD」というETFを推奨している記事もありますが、長期保有にはあまりおすすめではありません。
なぜなら、経費率が「0.4%」と少し高いからです。(IAUの経費率は「0.25%」)「GLD」は「IAU」よりも流動性が高いため、短期投資には向いていますが、長期投資には向いていないため、長期投資は「IAU」がおすすめです。
貴金属投資
金の次に有名な貴金属としては、銀、プラチナ、レアアースなどがあります。
ただ、「長期保有の安全資産」として投資するのであれば、金よりも安全性、パフォーマンスが劣ってしまいます。
近年だと、パラジウムが価格上昇しており、人気ですが、安全資産としての価値よりも、車などの工業用途としての需要が拡大したことによる、価格上昇であり、安全資産としての人気が原因ではありません。
金だけの保有だと心配の方は、金を主体にして、他の貴金属を少し買う程度がおすすめです。
エネルギー投資
石油や天然ガスなどのエネルギーに投資したい方は、正直、ETFや投資信託で投資するのはおすすめではありません。
なぜなら、特にエネルギー投資に関しては、先物取引が主体であるため、良いETFや投資信託はあまりありません。経費率が高い、先物価格から乖離してる場合がある、純資産総額が低いなどの理由でおすすめできません。
エネルギーに投資したい方は、先物取引がおすすめです。ただし、先物取引は期限があるため、期限切れには注意が必要です。もし、先物取引に慣れていない方は、期限切れが無い、「CFD」がおすすめです。
エネルギーへの投資は、長期投資というよりも、短期投資が向いているため、長期保有で考えている方は、別のコモディティに投資するのがおすすめです。
農業商品投資
コモディティの中でも、農業商品全体に投資したい方は、「DBA」がおすすめです。
DBAの特徴としては、単一の農業商品ではなく、数多の農業商品に分散投資できるという内容となっています。農業商品に分散投資したい方にはおすすめです。
単一の農業商品(小麦や大豆など)に投資したい方は、正直、ETFや投資信託ではなく、エネルギーと同様に「先物取引」か「CFD」がおすすめです。
特に、CFDだとマイナーな農業商品にも簡単に投資できます。オレンジジュース、カカオ、コーヒー豆などの比較的マイナーな商品にも投資可能です。
仕事上や趣味で、特有の農業商品に詳しい方などは、その知見を活かして、取引するのもありです。
ただ、エネルギーと同様に、先物の期限切れやCFDの管理コストには注意が必要です。
もし、特に単一の農業商品に興味がなく、偏りなく、分散投資したい方は、「DBA」に投資するのがおすすめです。
コモディティ全体に投資
コモディティ全体に投資できるETFもあります。1番おすすめのETFは、「DBC」です。
構成比率は、約47%がエネルギー、約25%が農業商品、約15%が工業用金属、約12%が貴金属となっています。
各コモディティにバランス良く投資されています。コモディティ全体に分散投資をしたい方にはおすすめです。
DBC以外にもコモディティ全体に投資できるETFがありますが、パフォーマンス、経費率、純資産総額が低いなどの理由で、あえて紹介していません。
コモディティにも投資をしましょう!
今回は、コモディティ投資について紹介しました。
コモディティ投資は奥が深く、種類も多いため、投資初心者の方には、敬遠される傾向があります。
しかし、株価が暴落した時には、逆に、コモディティの価格が上昇することが多くあるため、資産を守る意味でも、非常に重要な投資と言えます。
何から投資を始めたら良いのか分からない方は、まずは、無難に「金投資」から始めるのがおすすめです。取引も多く、万国共通の資産として認識されている数少ない貴金属です。
金投資から始めてみて、少しずつ他の投資に興味を持っていただけると嬉しいです。