「プログラミング学習や勉強に集中できないのですがどうすればよろしいでしょうか?」という質問に答えます。
結論から言います。集中できない理由は、精神力の弱さが原因ではなく、アルゴリズムが原因です。
問題解決には、アルゴリズムと集中力の因果関係を理解することが重要です。
もう少しアルゴリズムについて詳しく説明すると、TikTok、YouTube、Instagram、Twitterなどの世界規模で使用されているサービスには、全て優秀なアルゴリズムが使用されています。
例えば、下から上にスワイプするだけで無限に楽しい動画が出てくる仕組みや、個人単位で最適化された「あなたにおすすめの動画」などついつい見てしまうコンテンツが自動的に出てくるようになっています。この仕組みがアルゴリズムです。
その優秀で本能を刺激するアルゴリズムが、脳を過剰に刺激することで、目の前の退屈な勉強や学習の集中を妨げるようになっています。
詳しくは、後ほど分かりやすく簡潔に解説します。
この記事を書いている私は、現役のフリーランスエンジニアです。エンジニアとしての経験も踏まえて解説します。
では、早速、解説を始めます。
集中できない理由はアルゴリズムが原因【精神力が原因ではない】
優秀なアルゴリズムが世界を席巻している
世界を席巻しているサービスは、ほぼ全て優秀なアルゴリズムが使用されています。
そもそも、アルゴリズムを簡単に説明すると、計算方法や計算の最適化のことを言います。
SNSの場合だと、一人ひとりのユーザーに合った最適な動画やコンテンツを計算して、表示する仕組みのことを言います。
具体的な計算方法は、ユーザーの年齢、性別、視聴履歴、トレンド情報など様々な要素を複合的に計算して、算出しています。
データサイエンティストと呼ばれる、非常に優秀な研究者がアルゴリズムを設計していたり、そもそも人間ではなく、人工知能が自動的に算出している場合もあります。
また、世界規模で使用されているSNSやECサイトのアルゴリズム開発には、ITエンジニアだけではなく、優秀な脳科学者、心理学者、社会学者なども参加しており、多方面からの優秀な人材が学問を横断して、アルゴリズム開発を行なっています。
優秀で獰猛な研究者達が集まってアルゴリズム開発に携わっているのが、今の現状で、今後もますます進んでいく可能性が高いです。
なぜなら、優秀なアルゴリズムを開発すると、世界中から莫大な収益を稼ぐことが出来るからです。
そのため、国籍や民族に関係なく、人間の本能を刺激して、長い時間見てしまう仕組みをアルゴリズムを使って実現できるように、日々研究が進んでいます。
アルゴリズムの開発は今後も進みます
有名なアルゴリズム開発の例を紹介します。アルゴリズム開発では、単純に計算で導いた内容もあれば、人間の脳や心理を研究して開発されたものもあります。
アルゴリズムの有名な例
- TikTokのように、ユーザーに合った短くて、楽しい動画がスワイプするだけで無限に出てくる仕組み
- AmazonなどのECサイトでは、性別、年齢、閲覧履歴、購入履歴、直近クリックした商品などの情報を元に、一人ひとりに合ったおすすめ商品が大量に表示される仕組み
アルゴリズムだけでなく、脳科学や心理学的な根拠に基づいて本能を刺激するような設定がされいる仕掛けもあります。
仕掛けの例
- Twitterアプリを開いた時に、すぐにタイムラインが表示されるのではなく、数秒間だけ鳥が羽ばたく画面を見ることで、早く見たいという欲求を刺激する仕組み
- Instagramのストーリーのように、24時間経てば見れないようにすることで、時間があればInstagramを開いて、見逃さないようにする仕組み
他にも様々なアルゴリズム仕掛けなど、本能を刺激する仕組みが使われており、日々研究開発が進んでいます。
科学技術が発展した今日でも、1日は24時間です。その24時間のうち、1秒でも長く、滞在してもらえるように、各社がプラットフォーム争いをしているのが現実です。
1秒でも長く滞在してもらうには、本能に刺さる、刺激的で、一種の依存的な状態になるような仕組みを、世界中の優秀な研究者が莫大な資金を使って、研究しています。
今後もますます開発が進められていくことが予想されます。
アルゴリズムと共存できる状態がベストです
ここまでアルゴリズムについて解説しました。では、どのようにして、刺激的なコンテンツから時間を奪われずに、目の前の勉強や仕事に励むのかについて解説します。
結論から言います。優秀なアルゴリズムに逆らうのではなく、共存する選択肢を取るほうが効果的です。
具体的な方法については、次章で詳しく解説します。
優秀なアルゴリズムに振り回されない方法
デジタルデトックスは効果的ではない
結論から言います。デジタルデトックスは有効な手段ではありません。現実的に不可能だからです。
デジタルデトックスを簡単に説明すると、スマホやPCなどのデジタル機器から離れることを指します。「スマホ断ち」などもデジタルデトックスの一種です。
学生時代の受験期間とかであれば、有効な手段かもしれないですが、社会人になると、スマホやPC無しで生活するのほほぼ不可能です。
仕事やプライベートに影響が出てしまうため、嫌でもデジタル機器を常に身に付けておく必要があります。
そのため、デジタルデトックスは現実的に厳しいです。デジタルデトックスよりも、「共存」する選択肢の方が良い結果が生まれます。
具体的には、スマホやPCは持っているが、依存度の高いコンテンツやアプリは削除するという方法です。
これで解決できるものは、解決して、本能の刺激を抑えるのがベストです。
ただ、消すことが出来ないコンテンツやアプリもあると思います。例えば、Twitterのように遅延情報やニュース情報を知りたい時などにも便利なため、消すと不便なアプリもあります。
その場合の方法について次節で解説します。
メタ認知すると改善します
メタ認知というのは、自分自身のことを別の自分が見ているかのように、客観的に認知することです。
具体的には、TikTokを見ている時に、ただ本能的に楽しいだけではなく、客観的に自分自身を見て、「時間を無駄にしているなあ」、「TikTokのアルゴリズムに遊ばれているなあ」など、俯瞰した自分を作って、認知することがメタ認知です。
自分自身を客観視して、認知することが出来るのであれば、メタ認知の方法で解決するのがおすすめです。いろんな分野で使える心理学のテクニックですので、非常に便利です。
「メタ認知」について1番分かりやすく書かれている本を載せておきますので、気になる方は、ぜひ、読んでみて下さい。
しかし、メタ認知をするのが苦手な方や効果的では無い人も中にはいるかと思います。
そんな方におすすめなのが、「スクリーンタイム」という機能を使った方法です。
「スクリーンタイム」は、iPhoneとAndroid両方のOSに最初から搭載されている機能です。設定画面からすぐに開くことが出来ます。
そこでは、どのアプリに、どの時間帯に、どれぐらいの時間を使用したなどの情報が出てくるようになっています。
それを必ず1日1回見るようにすることで、時間を無駄にしていないのかをチェックすることが出来ます。
1分あれば出来ることですので、ぜひ、試してみて下さい。
修行僧になりましょう
親世代と比べて、科学技術の発展により、圧倒的に便利な世の中になったことは確かです。
一方で、本能を刺激するようなコンテンツが無料で、手軽に、大量に手に入るようになったため、誘惑が増えたことも事実です。
親世代と比較しても、遊びが増えたことで、誘惑に負けてしまう確率が高くなってしまいました。
そのため、昔以上に、強固なメンタルと、やり切るパワーが無いと、プログラミング学習や資格勉強など最初は退屈で、面白みを感じにくいことに関しては、継続しにくくなっています。
「修行僧」のようなメンタルで、邪念を捨てて、優秀なアルゴリズムに邪魔されないような生活を送らないと、なかなか継続して学習をすることは難しくなっています。
簡単なことでは無いですが、将来から考えて、SNSに溺れるのではなく、目標達成に向けて、邁進することの方が圧倒的に重要です。
しかし、日常的に本能を刺激されるような機会が増えたことで、難しくなっていることも事実なため、対策が必要です。
「メタ認知」というテクニックや「スクリーンタイム」を利用した実践的な方法から試すのがおすすめです。
アルゴリズムとの付き合い方次第で人生が変わります
今回は、集中できない原因とアルゴリズムについて解説しました。
気が付かないうちに、本能を刺激するコンテンツに触れる機会が増えた現代社会では、誘惑に負けてしまい、集中して勉強や作業をすることが難しくなってきました。
今回紹介した内容を参考にして、少しでも、目標達成に向けてのきっかけとなれば最高の幸せです。
「メタ認知」に関して1番分かりやすく書かれているおすすめの本です。是非、読んでみて下さい。