結論から言います。FIREを目指す人におすすめなのは、投資信託よりETFがおすすめです。
理由はいくつかあるのですが、大きな理由としては、ETFの方が手数料が安く、売り買いが容易だからです。詳しくは後ほど解説します。
そもそも、投資信託とETFの事をあまりご存じではない方にも理解できるように、分かりやすく解説を行います。
既に投資信託に投資されている方も今回を機に、ETFという選択肢について検討される機会になればと思います。
では、早速解説していきます。
FIREには投資信託よりETFがおすすめ【ETFだけでも十分】
そもそも、投資先大丈夫ですか?
投資信託とETFの比較を行う前に、そもそもの投資先について解説します。
投資先を考える上で、日本株ばかりに投資を行おうとしている方は非常に注意です。
理由は簡単で、日本株は負ける可能性が高いからです。過去30年を見ても成長性が全体的に低く、今後も著しい成長が見込めないからです。
では、投資先を考えた場合に、1番おすすめなのは、「米国株」です。正直、米国一択でも全く問題ないです。
世界各国の株式指数を分析しても、米国に勝てるところはありません。一時的に、他の国が成長率で勝てたとしても、長期で見た場合、必ず米国株に軍配が上がります。
そのため、そもそも投資先として米国株を考えていなかった人は、今回を機に、米国株という選択肢を考えるのがおすすめです。
投資の基本は、勝てる場所に投資することが初めの1歩です。
投資信託とETFの違いについて
投資信託とETFの最も大きな違いは、上場しているかの有無です。
投資信託は上場していません。一方で、ETFは上場しています。ETFは上場投資信託とも呼ばれています。
また、購入できる場所も異なります。投資信託は、証券会社だけではなく、銀行でも購入することが出来ます。
ETFの場合は、証券会社で購入が可能です。銀行での取り扱いがありません。
他に大きな違いとしては、手数料の違いがあります。一般的に、ETFの方が手数料が安く設定されています。
投資信託の中には、安価な手数料で提供しているものもありますが、一般的に手数料が高いものが多いです。
特に、銀行などの窓口で紹介される投資信託は手数料が高いものばかりです。注意が必要です。
ちなみに、手数料としては、上限を1%以下と考えておいた方が良いです。正直、0.5%以上のものは高いという認識を持つことが重要です。
手数料は保有している間、ずっと引き抜かれるものです。長期保有する場合、特に手数料に関しては敏感になることが重要です。
ETFのメリット
ETFのメリットは、手数料の安さの他に、世界中の取引所でリアルタイムに売買ができるという点です。
投資信託の場合は、1日1回の取引のみですが、ETFの場合は、取引所の取引時間中は無制限で取引が出来ます。そのため、流動性も高いことが特徴です。
正直、手数料の安さと売買が容易という点だけでも十分なメリットと言えます。
他にも、投資信託の場合は、購入者のほとんどが日本人というものも少なくありません。そのため、世界の動きと連動できていないものも少なくありません。
しかし、ETFの場合、取引所で取引されるため、国籍関係なく、世界中の個人・団体を問わず投資を行なっているため、投資信託よりもより世界の動きに連動したものとなっております。
ETFのデメリット
ETFのデメリットは「種類の少なさ」です。正直、投資信託の方が種類が多いです。
ただ、注意が必要です。取り扱っている金融機関が違うだけで、投資先の中身はほとんど同じという投資信託が非常に多いです。
そのため、単純に投資信託の方が種類が多いから良いという訳ではありません。
また、ETFのデメリットとして、資産を運用している人の顔が見えづらいということも挙げられます。
投資信託の場合、メディアにもよく登場する有名なファンドマネージャーが運用しているというケースもあります。
あの人が運用しているなら大丈夫ということでお金を預けている人も少なくないかと思います。
ETFの場合は、運用会社が運用しており、海外の運用会社であれば、誰が運用しているのかも良くわかないこともあります。(最近は、優れたアルゴリズムが資産を自動的に最適化している場合が多いです)
ただ、これも注意が必要です。
メディアに登場しているあの人なら大丈夫という理由だけで投資をするのは、ギャンブルと同じです。
この馬と騎手なら大丈夫そうという思考だけで馬券を買う人と同じです。思考停止状態です。
投資信託、ETFも中身をしっかりと分析して、過去のパフォーマンスから考えて大丈夫だという投資先に投資するのがおすすめです。
おすすめのETFを紹介します
成長株のETF
成長株のETFで最も有名なのは、「SPY」です。S&P500とも呼ばれており、米国を代表する500の銘柄で構成されているETFです。
ETFの構成割合としてアップルが最も多く、マイクロソフト、アマゾン、アルファベット(Google)、テスラの順に続きます。
簡単に言えば、有力な米国企業全体の成長に投資するという内容のETFとなります。
ETF投資が初めてという方には最もおすすめなETFです。
次に紹介するのが、「QQQ」です。
QQQというのは、アメリカのナスダック(NASDAQ)証券取引所に上場する銘柄の中で金融機関を除いた、上位100社の指数と連動するETFです。
簡単に言えば、アメリカを代表するハイテク企業の上位100社だけを集めたものです。
そのため、成長性が高く、過去のデータを見ても高いパフォーマンスを出しているのが特徴です。ただ、注意としては、景気後退の時期は大きく下落するという特徴があるため、長期的な視点で投資を続けることが重要です。
もちろん、株価が下落しやすい分、上昇する時も大きく上昇する特徴があります。
過去5年分のチャートを比較しても分かるように、他と比べても大きく資産を増やすことができるETFです。
今後も、アメリカのハイテク企業は伸び続けることが予想されるため、投資先としてはおすすめです。ちなみに、私もQQQに投資しております。
※日本の日経平均(青色)と先程紹介した、SPY(真ん中)、QQQ(オレンジ)を過去5年で比較しています。近年では、QQQが一人勝ちしている状況です。
高配当のETF
株で資産を増やしていく方法は大きく分けて、2つあります。
- 株価の上げ下げで資産を増やす
- 配当金で資産を増やす
ここで紹介するのは、株価で資産を増やしながら、配当金でも資産を増やす方法についてです。金融の世界には、日常生活では考えられない夢のような仕組みが存在しています。
FIREを目指している方の中にも「配当金暮らし」を目指している方も少なく無いかと思います。
先程、紹介したSPYやQQQのような成長型の企業の多くは、配当金を出していないため、配当金目当ての場合は、別の視点で考える必要があります。
配当金を多く出している企業の多くは、歴史が長く、アメリカを代表する老舗の企業がほとんどです。配当金を長期に渡って、安定的に出している企業は世界中調べてもアメリカしかありません。そのため、配当金を狙うのであれば、アメリカ一択で良いと思います。
ただ、これも個別の銘柄で配当金を狙うのではなく、ETFで配当金を狙うのがおすすめです。各社の決算や業界分析を英語で行うより、自動的に最適化をしてくれるETFの方が効率的だからです。
おすすめのETFは2つあります。
1つ目は、VYMです。
特徴としては、約400社に投資しており、配当利回りも毎年安定的に、約3%前後で推移しています。経費率は、0.06%と格安に設定されています。世界中の人が売買しており、出来高も高いため、おすすめです。
2つ目は、HDVです。
特徴としては、約75社に投資しており、投資先としては、財務状態が健全な企業のみに投資しているのが特徴です。そのため、VYMよりも、安全なETFと言えます。企業の財務状況が悪化すれば、ETFから自動的に除外されるため、安心して投資できる銘柄です。
こちらも配当利回りは安定的に毎年約3%前後で推移しています。経費率は0.08%とVYMと同様に格安に設定されています。
株価を比較した場合、VYMの方がHDV(オレンジ色)よりも高いパフォーマンスを出しています。ただ、安全性で言うとHDVに軍配が上がります。
まとめると、成長性を求める人は、VYMがおすすめで、安全性を求める方は、HDVがおすすめです。
※他の高配当ETFもありますが、VYMとHDVに総合的に劣っているものが多いため、あえて紹介していないです。
バランス型のETF
次に紹介するのは、バランス型のETFについてです。
これまで米国の株式ばかりを紹介してきましたが、もちろん、米国株以外のETFもたくさん存在します。
例えば、「VT」というETFの場合、世界47カ国、約2900銘柄に投資できるETFもあります。非常にバランス良く投資できるため、超バランス型のETFに投資したい方にはおすすめです。
また、米国以外の先進国に投資できる「VEA」というETFもあります。米国以外に幅広く投資したい方にはおすすめの銘柄です。
逆に、米国の企業だけを幅広く投資したい方には、「VTI」という米国企業約3800銘柄に幅広く投資できるものもあります。
バランス型の場合は、分散投資できるため、リスクを軽減することができる一方で、どうしてもQQQやSPYのような成長型のETFと比べるとパフォーマンスが劣ってしまうというデメリットがあります。
リスクとリターンを考えて、リスクを可能な限り抑えたい方には、バランス型のETFがおすすめです!
債券、金もETFがおすすめ
今まで、株式を中心に紹介してきましたが、投資を行う上で、債券や金などの貴金属も投資対象に入れるのが非常に重要となります。
理由としては、株式の場合は、社会情勢が不安定化した時に、大幅に下落する一方で、債券や金などは逆に上昇する傾向があるからです。つまり、株式との関係性は、逆相関関係にあると言えます。
金融の世界では、債券(特に米国債)と金は安全資産として扱われており、何かの有事が発生した際に、価格が上昇する傾向にあります。
まず、債券についてですが、国債や社債も含めて、債券と呼ばれますが、社債の場合は、株式と連動して動くことが多いため、安全資産として考えた場合、国債がおすすめです。
国債の中でも、特に「米国債」が最もおすすめです。理由としては、米国債以外の国債があまりにも魅力が無いからです。安全性、利回り、取引高など全てにおいて、歴史的に見ても「米国債」が最もおすすめです。
米国債を買うにしても、リスク分散の観点から短期(TIP)・中期(BND)・長期(TLT)で国債を分散投資するのがおすすめです。
TIPは期間が短い国債(数年)、BNDは1年から20年の中期国債、TLTは20年以上の長期国債が構成銘柄に組み込まれており、それぞれ安定した価格と利回りで動いているため、それぞれをバランス良く投資するのが最適です。
また、安全資産として、貴金属にも投資をするのがおすすめです。特に、金は古代から資産として扱われており、今後も安全資産として重宝されることが予想されています。
まずは、金だけでも安全資産として投資するのがおすすめです。現物の金は保管も難しいため、ETFで投資を行うのがおすすめです。
金のETFでおすすめのは、「IAU」です。経費率が0.25%と安く、出来高も高いため、長期投資には一番最適です。
金のETFとして一番有名なのが、「GLD」ですが、GLDの場合、経費率が0.4%と少し高いため、長期投資にはおすすめではありません。逆に、出来高が高いため、短期投資には、GLDの方がおすすめです。
他にも、シルバー(SLV)、プラチナ(PPLT)、パラジウム(PALL)など様々な貴金属のETFがあります。余裕のある方は、他の貴金属に投資するのもおすすめです。
まずは、ETFに投資してみましょう!
今回は様々なETFについて紹介を行いました。
日本のETFは基本的に、100株からの購入になるため、少なくとも数万円や数十万が最低投資額になります。
しかし、アメリカはETFも1株から購入できるため、数百円から購入が可能です。そのため、毎月少しずつ積み立てることが出来ます。
まずは、それぞれ1000円単位でも良いので、試しで購入してみて、様子を見るところから始めても大丈夫です。
最も重要なことは、少しでも良いので始めてみることです!
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