最近、FIREを目指している人の中では、米国の高配当株が人気です。
特に、配当王と呼ばれるような、何十年も増配している、個別銘柄が人気です。
ただ、注意して投資を行わないと非常に危険です。
結論から言います。米国の高配当株に投資するのであれば、個別銘柄ではなく、ETFがおすすめです。
理由はいくつかあるのですが、1番の理由は、個別銘柄の場合、管理が難しいからです。
詳しくは後ほど解説します。
個別の高配当はFIREには向いていません【ETFがおすすめ】
年4回の決算を英語で分析する必要があります
個別銘柄に投資していく中で最も難しいことは、「管理」を続けることです。
年4回発表される各企業の決算を分析して、今後の投資戦略を考えなくてはなりません。
特に米国企業や欧州のグローバル企業の場合、全て英語で決算が発表されます。その内容をしっかりと分析をしていくことは時間的にも厳しいところがあります。
また、年4回の決算だけではなく、各企業に関する日々のニュースも株価や今後の投資戦略に大きく影響を与えるため、ウォッチする必要があります。もちろん、ニュースはほとんど英語で配信されるため、日本語だけのニュースでは不十分です。
また、投資先の企業だけでなく、業界についても分析を行う必要があります。業界再編の動きがあれば、その内容を踏まえて投資を考える必要があります。
つまり、個別銘柄に投資するということはそれだけ大変な労力が必要になるということです。海外の企業であれば、言語の壁、会計システムの違いもあるため、さらに労力を必要とするのです。
英語が得意だからと言って、海外企業の決算(財務諸表)を読み解けるという訳ではありません。日本語が分かるといっても、日本企業の決算(財務諸表)が理解出来ない人がたくさんいるのと同じです。
それだけ、海外の個別銘柄に投資をするのは難しいということを理解しておきましょう!
ちなみに、決算は見ないで投資をするのは、ギャンブルと同じです。投資とギャンブルは違います。注意しましょう!
ETFのパフォーマンスを超えるのは至難の業
ETFのパフォーマンスを上回ることは、金融のプロでも非常に難しいことです。1年だけ良いパフォーマンスを出すことは出来たとしても、重要なのは、何十年も良い結果を出し続けることです。
金融の歴史の中で、今まで、多くのファンドマネージャー(投資責任者)がETFに勝てなくて辞めていったという歴史があります。
ETFというのは、それだけ優れたものなのです。現代の金融の世界で素人がETFに勝ち続けることはほぼ不可能に近いと考えた方が良いと思います。
どの個別銘柄に投資をするのか検討する時間があれば、収入を増やして、ETFに入金する「入金力」の向上を目指すのがおすすめです。
投資で重要なのは、「入金力」です。銘柄は無難なETF(SPYやQQQなど)に投資して、あとは、毎月の入金力の最大化に時間をかける方が効率的です。
分散投資出来ていますか?
個別銘柄に投資されている方で、しっかりと分散投資を出来ている人はほとんどいません。
理由は簡単です。分散投資は簡単なことでは無いからです。先程、紹介したように1つの企業に投資して、管理し続けるだけでも非常に労力が必要なことであります。それを様々な業界に横断して投資を行い、管理を続けることはほぼ不可能です。
ETFの場合、勝手に分散投資を行なってくれるため、その点の考慮は不要となります。
また、分散投資と言っても、様々な業界や国の株式に投資することが分散投資ではありません。
投資の世界での分散投資は、株式以外の債権(国債や社債など)、コモディティー(貴金属、エネルギー、穀物など)幅広く投資することが分散投資と言います。
社会が不安定化した時は、株式が暴落する傾向がありますが、コモディティー(貴金属など)は逆に暴騰することがあります。
分散投資は逆相関関係の投資先にも投資することで、資産を守る働きを担ってもらいます。
上手く様々な種類のETFを組み合わせることで、大事な資産を成長させて、時には守ることも考えておくことが重要です。
高配当の銘柄は安定的な不労所得
高配当銘柄は、株価で資産を増やしながら、配当金でも資産を増やしてくれるという、金融の旨みを存分に味わえる存在です。
配当金で生活をしたいと考えている人も少なく無いと思います。実際に、FIREして、配当金だけで生活している人は世界中にたくさん存在します。
選ぶ銘柄を間違えない限り、損するリスクも少なく、比較的安定した投資先だと言えます。
手数料の高いもの、個別銘柄、パフォーマンスの悪いものを選ばない限り、失敗するリスクを軽減することが出来ます。
おすすめの高配当ETFについては後ほど紹介します。
高配当ETFのおすすめ銘柄
ETF投資の注意点
おすすめのETF銘柄を紹介する前に、1つ注意があります、それは、手数料です。
個別銘柄と違って、ETFには管理費用(経費)が必要となります。ETFの場合、投資信託と違って、手数料は低めに設定されています。
しかし、中には高額な手数料を設定しているETFも存在するため、注意が必要です。
目安としては、経費率が0.5%以上の場合は、高額だという意識を持つことがおすすめです。
中には、経費率が1%以上のETFも存在します。よほどのメリットがない限りは投資を避けましょう!
経費はETFを保有している間はずっと発生する手数料です。できる限り、無駄な出費は避けるようにしましょう!
バランス型高配当【VYM】
【表1】VYMとHDVのまとめ
【表2】VYMとHDVの過去5年の株価比較
今から紹介する高配当ETFはどちらも主要な構成銘柄はほとんど同じです。違いとしては、VYMは分散投資かつ成長型、HDVは財務健全の銘柄のみという違いがあります。それぞれ解説します。
主要な構成銘柄:ジョンソンアンドジョンソン、P&G、ファイザーなど
まず、VYMの特徴としては、約400社に投資しており、配当利回りも毎年安定的に、約3%前後で推移しています。また、経費率も、0.06%と格安に設定されています。
高配当銘柄に幅広く分散投資を行いたいかつ、安定的な株価と配当金を得たい人には一番オススメのETFです。正直、高配当を得たい方はこのETF1本だけでも十分なぐらいです。
日本人にも人気で、各証券会社の出来高ランキングでもいつも上位に来ています。
財務健全の高配当【HDV】
次に紹介するのは、HDVです。
特徴としては、財務状態が健全な米国企業を中心に構成されているETFです。ヘルスケア・生活必需品業界に約25%投資されているということもあり、景気に左右されにくく、安定したETFと言えます。
構成銘柄数は約75です。VYMと比較すると、少ないのが特徴です。しかし、VYMと違って、財務の健全性を厳正にチェックして選別されているため、比較的安全な銘柄ばかりが選ばれています。
また、企業の財務状況が悪化すれば、ETFから自動的に除外されるため、安心して投資できる銘柄です。
経費率も0.08%とVYMと同様に格安に設定されています。
高配当ETFを投資する上で、VYM、HDVどちらに投資しても有益な投資だと思います。
他にも高配当ETFは存在しますが、手数料が高い、配当利回りが低い、株価が低調、出来高が低いなどの理由で、除外しています。
高配当ETFに投資するのであれば、VYMとHDVがおすすめです。
ポイント
- 分散投資+成長を重視・・・VYM
- 安全性を重視・・・HDV
高配当ETFで不労所得を目指しましょう!
今回は高配当ETFについて紹介しました。
海外の個別銘柄を投資するのは簡単ですが、管理を続けて、利益を出し続けて、リスク分散を行うことは容易なことでは無いです。
個人が投資するのであれば、正直、ETFだけでも十分なぐらいです。
管理コスト(時間)、分散投資など煩雑なことは全てETFに任せて、余った時間で家族・友人との時間、趣味の時間を大切にした方が、圧倒的に幸福度が上がります。
ETFから不労所得を得て、有意義なFIRE生活を目指しましょう!