「FIREを出来るだけ安全・安心に資産形成する方法はありますか?」という質問に答えます。
結論から言います。方法はあります。国債・金・現金で資産を固めるのがおすすめです。詳しくは後ほど解説します。
この記事を書いている私は、現役のフリーランスエンジニア兼個人投資家をしている者です。
株式投資を中心に資産形成をしている場合、株価が大きく上下する度に、資産が大きく増減します。
資産が毎日のように増減することは、精神的にも不安定な状態になりやすいため、不安な方には、株価が大きく動く株式投資はおすすめではありません。
株式投資無しでも資産形成は十分可能です。株式投資だけが資産形成ではありません。
今回は、安心・安全を第一に資産形成をして、FIREする方法を解説します。
では、早速、解説を始めます。
【安全タイプ】 FIREを安心・安全に達成するための資産形成
現金保有も投資です
まず、現金保有も投資の一部であることを認識することが重要です。
なぜなら、インフレが発生した場合、預金している資産が目減りするからです。
デフレが続いている日本では感覚が麻痺しているため、インフレに対して敏感ではないですが、アメリカなどでは、毎年数%のインフレがあるため、現金で資産を保有していると資産が目減りしていきます。
つまり、現金保有するということは、インフレが発生せず、資産が減らないということに「投資」していることになります。
インフレが毎年のように発生している国では常識なため、現金保有に対してのモチベーションは低く、むしろ、毎年数%のリターンの期待ができる株式や債券などに投資することでインフレ対策をしています。
日本においても、日本銀行がインフレ率2%を越えるまで金融緩和をすると明言しているため、日本でも近い将来、インフレが発生して、現金が目減りする可能性が高いです。
早いうちから、現金保有も投資であるという認識を持つことが重要です。
株式の割合を減らしましょう
投資の中でも株式投資は、リスク投資に分類されます。そのため、資産を安全に運用したい方は、株式投資の割合をまずは減らしましょう。
また、個別の銘柄に投資している場合は、ETFに切り替えるのが無難です。どんなに安全だと言われている企業でも、1つの不祥事で株価が吹っ飛ぶのが今の世の中です。
もし、株式投資をしたい場合は、安全性とリスク分散の観点から考えて、「多岐に渡る業界、1000以上の企業」に分散投資しているETFに投資するのがおすすめです。
具体的には、VTIやVTがおすすめです。
ポイント
VTI・・・米国企業約3800銘柄に投資しているETFです。
VT ・・・世界47ヵ国、約2900の銘柄に投資している全世界型のETFです。
安全資産でガードを固めましょう
投資の世界で安全資産と言われてる代表例が、「国債・金・現金」です。
日本人の場合、「安全資産=現金だけ」と考えていますが、世界では、「安全資産=現金だけ」ではありません。先ほど紹介したように、インフレ時には、現金の価値が目減りするからです。
また、日本の場合、普通預金の利子がほぼ0%ということも含めて考えてみると、現金保有が有効な投資とは言えません。
可能な限り安全に運用しながら、適度なリターンを得たい場合は、現金に加えて、「米国債と金」にも投資をするのがおすすめです。
例えば、米国債の中には、インフレに対応した国債があります。保有しておくだけで、インフレ対策が出来ます。
また、米国債の場合は、世界で最も安全かつ、リターンが見込める投資です。投資しない理由はありません。
金に関しても、特有の理由により、安全な資産と言えるため、保有しておくのがおすすめです。
詳しくは、次章でそれぞれの特徴について解説します。
国債・金・現金で資産を固めましょう
国債
国債の中でも特に米国債に投資するのがおすすめです。
理由は簡単で、地球上で最も安全な国債の1つで、先進国の中では唯一、1%以上の利回りがある国債だからです。
リスクとリターンの両方の観点から考えて、最も魅力的な投資先と言えます。
また、米国債の場合、インフレに対応した、米国物価連動国債があるため、保有しておくだけでインフレ対策も出来ます。
具体的な投資プランとしては、米国債を短期・中期・長期でリスク分散して投資するのがおすすめです。
具体的には、TIP(短期)、BND(中期)、TLT(長期)に分散投資するのが最適です。
【図 筆者おすすめの米国債ETF】
米国債について詳しく知りたい方は、過去の記事で紹介していますので、是非読んでみて下さい。
金
金は古来より世界中で資産として扱われている数少ない資産です。
そもそも、地球上に存在する金の量は、発掘分と未発掘分全て含めても、オリンピックの競技用プール約5杯分だけしか存在していません。
たったそれだけの量を世界中で奪い合っているのです。
そのため、今後も価格が上昇していく可能性は極めて高いため、資産形成の一部として保有するのは有効な投資と言えます。
特に、戦争やパンデミックのような社会全体が不安定化した時に価格が上昇する傾向があるため、有事に備えて金を保有しておくのがおすすめです。
現物の金はセキュリティの問題、金庫などを用意するコストの観点からこちらも、ETFで保有するのがおすすめです。
金のETFについて書かれている記事の中には、「GLD」というETFを推奨している記事もありますが、長期保有にはあまりおすすめではありません。
なぜなら、経費率が「0.4%」と少し高いからです。(IAUの経費率は「0.25%」)
「GLD」は「IAU」よりも流動性が高いため、短期投資には向いていますが、長期投資には向いていないため、長期投資は「IAU」がおすすめです。
現金
万が一のために現金保有しておくことは非常に重要です。全財産を米国債と金に投資するのは全くおすすめではありません。
米国債と金は基本的に、ドル建てで運用しているため、万が一お金が必要になった場合、ドルを円に両替する必要があります。その際に、円高ドル安の状況であれば、金額にもよりますが、大損する可能性があります。
少なくとも半年分の生活費分ぐらいは現金で保有するのがおすすめです。
また、現金保有よりも投資にお金を回すべきという意見がありますが、全てのお金を現金以外の資産で形成すべきという意味ではありません。
現金保有が悪いということではなく、現金保有が資産の8割以上を占めているという状況が危険ということです。
何事もバランスが重要です。1つの投資先に集中させることだけは避けましょう!
安全資産で安心・安全を第一に資産形成をしましょう
今回はFIREに向けて出来るだけ慎重に資産形成をしたい方向けに解説を行いました。
株式投資でリスクを取って大きなリターンを目指すだけが資産形成ではありません。
リターンは低いですが、リスクを抑えて安心・安全を第一に少しずつ資産形成をする方法もあります。
インフレに対応していない現金保有だけで資産形成を行うのではなく、少額で良いので、国債や金に投資するのがおすすめです。
ポイント
・米国債
インフレ対策、円安対策
・金
円安対策、有事への対策
・現金(日本円)
ドル安対策